<新党>参加者広がらず苦悩の船出 「たちあがれ日本」結成(毎日新聞)

 平沼赳夫元経済産業相(70)、与謝野馨元財務相(71)ら国会議員5人は10日、新党「たちあがれ日本」の結成を発表し、代表に平沼氏、共同代表に与謝野氏が就任した。「打倒民主党」「日本復活」「政界再編」を結党趣旨に掲げ、夏の参院選で与党過半数割れを目指す。だが、保守再生を掲げる平沼氏と、リベラル色の強い与謝野氏が組んだ矛盾ゆえに、参加者は広がらず苦悩の船出となった。

 平沼氏は記者会見で「民主党政権は絶対に容認できない。自民党も野党として力がない。民主党政権を打破するため、保守の力を結集したい」と訴えた。他のメンバーは園田博之前自民党幹事長代理(68)、参院議員の藤井孝男元運輸相(67)、中川義雄元副内閣相(72)。平均年齢は69.6歳。支援者の石原慎太郎東京都知事(77)は発起人になった。

 平沼氏は今年に入り、石原氏と新党結成に向けた動きを本格化。昨年の衆院選で落選した中山成彬元国土交通相や、歴史認識問題で更迭された田母神俊雄元航空幕僚長に参院選への立候補を打診。自民党の鴻池祥肇元官房副長官も「保守政党をつくりたい」と参加する意向を示した。

 一方、与謝野氏と園田氏は低迷する野党・自民党にいらだちを強めており、2月17日の党首討論での谷垣禎一総裁の弱腰ぶりを見て、執行部批判にかじを切った。

 今回の新党劇をさかのぼると、自民党衆院議員だった石原氏が89年11月に設立した派閥横断的な政策集団「黎明の会」に行き着く。平沼、園田、鴻池3氏はいずれもそのメンバーだった。

 2月26日、東京・広尾のレストランに平沼、藤井、鴻池、与謝野、園田の5氏と鳩山邦夫元総務相が顔をそろえた。園田氏の意を受けた平沼氏の呼びかけだった。新党結成への腹合わせになるはずだったが、与謝野氏とそりが合わない鴻池氏が中座。同氏は後日、平沼氏に「あなた一人で立ち上げるべきだ」と促し、新党構想と距離を置くようになった。

 平沼氏が国会で会派を組む無所属の小泉龍司、城内実両衆院議員も、地元後援会との調整を理由に参加を見送った。新党関係者は「与謝野氏がいなければ、2人は来ていたはずだ」と断言する。

 みかねた石原氏は一時、新党への参加も検討した。築地市場移転問題で、都議会民主党は都の10年度予算案から移転用地購入費を削除する修正案を提出する構えを見せる中、石原氏は3月17日、東京都内の与謝野氏の個人事務所を訪ねた。関係者は「修正案が可決されたら知事は辞職し、参院に転出する決意だった」と明かす。結局、民主党が修正案を見送り、都予算は3月末に成立したため、「平沼・石原新党」はまぼろしに終わった。

 一方、与謝野氏や園田氏が期待した自民党の中堅・若手議員も動かなかった。後藤田正純元内閣府政務官は「与謝野さんや園田さんは自民党に貸しはあっても借りはない。私は借りばかり。ベテランと同じようには動けない」と語る。

 与謝野氏と園田氏は6日、衆院本会議開会中に議員食堂で自民党の丸山和也参院議員に新党参加を打診したが同氏は拒否。与謝野氏周辺は「丸山氏は自分がリベラルだと思っている」と語り、平沼氏が壁になったとの見方を示した。結局、5人目は、参院選で自民党の公認を得られず、引退とみられていた中川氏だった。【中田卓二、野原大輔】

◇「たちあがれ日本」の結党メンバー◇

(代表)平沼赳夫元経済産業相(70)=衆院岡山3区(10)

(共同代表)与謝野馨元財務相(71)=衆院比例東京(10)

園田博之前自民党幹事長代理(68)=衆院熊本4区(8)

藤井孝男元運輸相(67)=参院岐阜選挙区(4)、衆(4)

中川義雄元副内閣相(72)=参院北海道選挙区(2)

※名前後ろのカッコ数字は年齢、選挙区名の後ろの数字は当選回数

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